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インタビュー

VRでお出かけデート!システムエンジニアが考える次世代の婚活とは?【仲人とエンジニア対談/ITと婚活】

今回は、フリーランスのシステムエンジニアである中村さんと、「5star結婚相談所」仲人の川上さんによる、オンライン対談の様子をお届けします。

「仲人」と「エンジニア」という一見、全く違う仕事をしているお二人は普段どんなことを考えて、どんな未来を見ているのでしょうか。

以前から交流があったお二人の「ITと婚活」の対談、じっくりお楽しみください!

中村さん(左)・川上さん(右):よろしくお願いしますー!

仲人
川上さん

大阪府枚方市を中心に、結婚したい男女をサポート!オンラインを利用した婚活にも力を入れている、仲人の川上です。

5star結婚相談所公式サイト

エンジニア
中村さん

大阪府枚方市を拠点に、フリーランスでWeb制作やシステムの開発を行っている中村です。現在はほぼリモートで自宅で仕事をしています。

中村さんの公式サイト

本記事の要点
  • 仲人とシステムエンジニア、婚活とITの接点
  • コミュニケーション手段としてのVRの可能性
  • ITが発達すると人同士の関わりが気薄になる?
  • 新しいVRオンラインデートの始まり
  • 婚活×ITの可能性
  • 実際リモートで婚活は可能か?

仲人とシステムエンジニア、婚活とITの接点

システムエンジニアの中村さんってどんな人?

中村さん:今日はオンライン対談ということで画面越しでよろしくお願いします。最初に私の自己紹介について少しお話しします。

今年の前半、私はJavaというプログラミング言語の講師をしていました。去年、登録しているIT系案件サイトからお話をいただいて、今年の1月から3月までは東京に出張という形で研修を受けて、その最中にコロナが蔓延していき、4月、5月と大阪に戻って大阪の会場で企業の新入社員向けプログラミング講習をしましたが、ほぼリモートという結果になりまして。けっこう大変な今年前半でした。

それ以降は、この4年程事業化を頑張っていましたが、昨年とうとう収束してしまった「VR」が、ステイホームの影響で、色々なニュースが出てきたりして、また色々と動き出してきたようなので、再度、VRの事業化に向けた、実験や検証、開発等をしています。

そもそものこの現状に至るまでの経緯としては、14歳でTK-80というコンピュータ入門キットを知ってから、ポケットコンピュータから8bit、16bitとコンピュータを使ってプログラミングをしてきて。2000年まではサラリーマンとして、アナログな業務のコンピュータ化や、新しい仕組み作りをしてきました。1990年代にインターネットが一般に開放されて、「これからは世の中や働き方が変わるぞ」と、2000年からフリーランスになり、以降、Webサイトの制作からWebシステムの開発を基本業務として承ってきました。

2016年に一般向けVRヘッドセットが世に出て、2017年はVR元年と言われる程、世間に認知されるようになりました。VRはコンピューティングの最終到達点だと、2016年からVRを事業化しようと一大発起。

その活動拠点として枚方にできたコワーキングスペースでそこで川上さんともお知り合いになりまして。

フリーになってからは主に受託開発で、基本、自宅や事務所、この10年ほどはコワーキングスペースでの作業が主でしたが、VRをやっていた間も含めて、3年程前からはリモートワークでのWebシステム開発を行ってきました。

エンジニアの中村さんと仲人の川上の関わりについて

川上さん:そうそう、普通に生活していたらきっと出会うはずがなかった中村さんと私は、以前枚方で同じコワーキングスペースに入っていて、知り合いになったんです!

その時に、VRと婚活がコラボしてみたら面白いんじゃないか?って話で中村さんと試行錯誤して、婚活の未来を一緒に考えていたんです。

で、やりましょう!ってなったんやけど、結論で言うと時代が追いついてきてないって言うのがあって、例えばVRをみんながどうやって見るのか?など課題がたくさんあって、試行錯誤したんです。

結論を言うと、早すぎたので時代が追いついてきたらまたやりたいねっていう感じで一旦保留にしたんですね。

結果的に最後までやりきれなかったのが残念ではあったんですが、その時に「婚活の未来」を中村さんと一緒にたくさん考えさせてもらって、時代の先の先まで考えられたことがすごく面白かったんです!!

それから中村さんもVRをやめられたのでしばらくお会いできてなかったんだけど、このコロナ禍でITやWEB、オンラインっていうのがババッて出てきたことによって、中村さんと3年前くらいに話していた時代がちょっと近づいてきたなっていう感覚があって。

私の考えの原点「ITと婚活」っていうテーマは中村さんとその時にたくさん話したことが根本的にあると思っていて、一回がっつり中村さんと喋っとかないと!と思って、対談をご依頼したわけなんですよ、今回!

コミュニケーション手段としてのVRの可能性

中村さん:VRは世間の話題となりましたが、

・VR環境の技術的問題
・費用対効果の低さ
・コンテンツ開発の難しさ
によるアプリの粗製濫造がありましたね。

また当時、同時にブームとなったAIやビットコインによって、VRに必要な、パワフルなグラフィック処理を行うGPUの価格高騰と在庫不足が激しくなり、機材入手や利益確保が非常に難しくなったりもして、結果的に2019年、VR業界は実質的に収束してしまいました。

個人的には、コミュニケーション手段としてのVRの可能性から、川上さんともコラボ企画で「VRx婚活」をさせていただいたりしましたが、如何せん、VRを実施する環境が大がかりで、結果的に個人利用にリーチ出来ませんでした。2018年5月にOculus Goという単体でVRを実現する製品が発売され、これがもう1年ほど早く出ていればなあ〜という感じでした。

中村さん:代わりに当時、スマホVRを検討しましてそれを主軸にしていこうとアダプターのヘッドセットなんかを検討していたんですけど、機種の多様性や制限、そして何よりパフォーマンスの低さで、有効なコミュニケーションスタイルの確立が実現できませんでした。

個人的には実証により様々な知見を得られ、非常に有意義でしたが、実効的な結果を出せなかったのが残念でした。

川上さん:でも楽しかったですよねえ?

中村さん:そうですね。いろいろ話しましたね。

川上さん:何か具体的にできたら良かったんですけど、まだ時代がついてこなかった感じでしたよね(笑)

中村さん:いろんな障害もありましたし、まぁ早すぎたっていうのが……

川上さん:ほんとにねー!私にとっては中村さんとのITのコラボがあったことがきっかけで私自身IT寄りの考え方になれたことが本当によかったです。それまではごりごりの仲人だったので、ITの話ができるようになれてありがたかったです!

ITが発達すると人同士の関わりが気薄になる?

ITのコミュニケーションについて仲人としてどう思いますか?

川上さん:何もしなければおそらく、コミュニケーション自体もITが進んでいくことで、例えばLINEなどのように、なんとなく無機質なものになっていくのでは、と思っています。

やはりコミュニケーションの「便利さ」はあると思いますが、その先のことも私たちは考えていかないといけないと感じているところです。

LINEやFacebookなど「コミュニケーションありきのIT」が必要な時代だと言われてるので、みんなが想像するITの先は薄い感じにはなるんやろうけど、その先をしっかり考えてなんでも作っていかなあかんのやろうなぁっていう風には私も思います。私たち仲人は、超ドロドロのコミュニケーションを考えることも仕事なので(笑)

ITのコミュニケーションについて開発者としてどう思いますか?

今年初めからのコロナ禍で、多かれ少なかれ、多くの人が「ITによるコミュニケーション」を余儀なくされたと思います。

ある意味、「今だからこそITでなんとかなった」、「いろんな制約がクリアできるようになった」、「インフラが整備されていった」ということもまた事実で。

リモートワークやリモートコミュニケーションの、現在の有用性を実感されたという人も多かったんではないでしょうか。

ただし、同時に、ITによるコミュニケーションで削り落とされる情報量での、不自由感、隔靴掻痒感も、多分に多くの方が感じ取られていると思います。

私自身、今年前半での講師の仕事で、4月、5月の講座が、結局リモートでの実施となり、実際に会場で行ったのは最初と最後のそれぞれ1週間程度でした。期間中は約20人を相手にした講義を、平日の毎日9時から18時まで、約2ヶ月間ZOOMを使ってという非常に貴重な体験をさせていただいたんですけども。

講師自体が初めてだったので、講座の進行自体は本当に大変でした。その上で、感染リスクを負っての会場までの移動や、会場での感染回避対応、その上でのコミュニケーションや受講環境整備等々、講座進行以外の対応も必要でしたので、リモートになった事で、そうした心配事や対応作業も無くなりましたので、結果的に助かりました。

同じように、業務フローが定型的だったりモデル化して管理しやすい業務、業態の場合は、リモート環境の活用で、ある程度は仕事を回して行けると思いますが、削られる部分や量が多い場合は、どうしても現場に出ざるを得ないでしょう。

その辺り、業務フローの調整や、使うツールや環境によりますので、スキルや情報を持っていない場合、検討や調整からが非常に困難だと思います。じゃあどうするんだっていうのはもう、皆さん体験されているように、個人の頑張りでしかないという中身だったんじゃないかなぁと思います。

補われる今どきのITで十分にクリアできる面もあれば、今まで通りでするには無理だっていうところもあるっていうところをいかに自分の中で、もしくは会社の中でチームの体制の中で落とし込んでいくのかっていうのがそれぞれに抱えてる課題ですね。

今後生かしてさらにより良くしていくかがまだ解決していない課題なんじゃないかなぁと思います。私の場合はそのシステムを開発する側の人間なので、どうあれば助けになるのか、どういう形が色々なケースに対応していけるのかを今も継続して考えているところです。

新しいVRオンラインデートの始まり

川上さん:具体的なアイデアってもうあるんですか?

中村さん:話の前後であとの方の質問で回答しようと思っていましたけれども(笑)先にしましょうかね。

このアイデアのきっかけのところからお話しします。私自身、今年全く外に出ていない、二週間に一回くらいしか買い物で出るっていうことしかなかったりするんで、非常に運動不足もあります。昔、ダイエットしていて。

川上さん:昔、おっしゃってましたね、ダイエットの話!

中村さん:10年程前に100キロ超えてですね。それから3年くらい試行錯誤してそのあと2年がかりくらいで30キロ落としたんです!

そのまま今の状況を維持していってるんですけど、さすがに今年は全く外に出ないとまた増加傾向に入りまして(笑)それをどうしようかなぁとというので、室内で足踏みとかして、ダイエットのときになるべく駅を2つ3つ手前で降りて歩く距離を稼ごうということで結果、食事療法と相まってダイエット成功したんです。

歩いて効果あるならば足踏みでもいいんじゃないかっていうことで、2ヶ月ほど前からそれを実践しまして。結果、1ヶ月で2キロくらい落ちてて。

川上さん:うそやん!1ヶ月で2キロ?

中村さん:その後は、増えもせず減りもせずっていう感じですけど。

川上さん:足踏みだけで!?

中村さん:朝5000歩、夕方5000歩の1日1万歩を目安に。

川上さん:相当な足踏みですね(笑)

中村さん:大体4,50分くらいかかるんです(笑)

川上さん:でもまぁ普通に1万歩歩こうと思ったらねえ!

中村さん:そうです。外歩こうと思ったらけっこう距離ありますよ。外が大変なのは今のコロナ禍でもそうですけど、行った先から帰らないといけないじゃないですか。

川上さん:うんうん。

中村さん:となると、移動するところが限定されてしまうと。ただ、家の中で歩けば、今日はこれくらいでいいかなっていう瞬間で終了できるので、日に応じて調整できるというところと、今からやろうと思えば何の準備もなしにすぐに始めて好きなときに終われるんです。

今はスマートウォッチで心拍や歩数の管理もできますし、心拍の調子見ながら120くらいで収めるほうが体の負荷も少ないし、脂肪燃焼にもいいというところで、これが今回のダイエットの治験で、そういうところで非常に効果的でした。

川上さん:治験って(笑)めっちゃいいじゃないですか!

中村さん:お部屋で足踏みをしているとこの2ヶ月間はYouTubeとかでリストを作って、足踏みしている間に観るというルーティンでやってたんですけど、心拍の管理もなかなか大変だったりしますし、ニュースのリストを作るのもなかなか大変だったんです。

川上さん:たしかに(笑)

中村さん:毎日夕方に50分もYouTubeを見てたわけなんですけど(笑)それならいっそVRのヘッドセットをつけて、バーチャルの中を歩いたらいいんじゃないかなぁと思ったんです。

川上さん:なるほど!!それめっちゃ良いと思います!!

中村さん:実際、いろんなVRのパーツを持っていてですね、私の使ってる環境って「ユニティー」っていうアプリなんですけど、「アセット」っていっていろんなシーンやツールが販売されてるんです。

↓こういうシーンが売っててですね。

川上さん:シーンが売ってるって(笑)

中村さん:実際VRのヘッドセットでこの風景の中を歩いてるっていう状況なんですね。

今は歩いてますけども、実際に歩数に合わせてこのシーンの中をグルーっと走っている感覚ですね。静止画だとなかなか伝わりにくいと思いますが、この滝の向こう側もずーっと道が続いてて、そういうふうなシチュエーションの中で走りつつ、画面の上に心拍とか歩数とか出したり、同伴者や、CGのキャラクターを出して一緒に並んで走るとかもできるんです。

川上さん:いいじゃないですか〜!VRデートや!!

中村さん:オンラインで友達や恋人と、もしくは目的を同じくする人と一緒に並んで走ったりすると、けっこうモチベーションになるんじゃないかなぁと。そういうところを今考えて開発を進め始めています。

川上さん:めっちゃすごーい!!!!!

中村さん:この景色の向こう側に行くと滝の裏側にまわれたり、枝垂れ桜みたいな木が生えてたり、環境的にも楽しみながら、部屋の中で非常にお手軽にお散歩やジョギングデートができるんじゃないかなぁと。

川上さん:いいね。これはやるんちゃう?さらにこれでダイエットになるなら一石二鳥ですねー!!

中村さん:以前やったVRを使った婚活も含めて、これから新しくいろんなサービスが始まったり、ソーシャルディスタンスや新しい時代の暮らし方の中で、バーチャル上にいろんなサービスが移行しているものの、実際はまだまだ遠い。

ついこの間までどうしたもんかなぁといろんな可能性を検討したアプリの企画を進めてたんですけど、一方でスポーツや自分の体質改善、体力維持の軽い運動は今や日常化してますよね。

欧米ではVRを使ってダイエットや日常の運動不足解消が成功したっていうニュースも今年多く聞かれるようになってですね。運動を日常にしなくちゃいけないというモチベーションもあるし、実現可能性なんじゃないかな?っていうところで検討してるところですね。

川上さん:めちゃくちゃおもしろい〜

中村さん:先程見せたようなシーンでも、同じコースばっかりだと飽きちゃうので、もちろんいろんなシーンで。バーチャル空間って今や山のようにあるのでどんどん導入していってそれこそ街中や、宇宙空間なんかも行けるわけです。すごいただっぴろい砂漠や、そこに新しい映画の予告編がスクリーンで内側に流れて、それを眺めながらすすんでいくとか。

川上さん:楽しそう!

中村さん:今YouTubeでもCMが流れたり、アプリでもCMが割り込んでくるとすごく煩わしい感じがあって、個人的にはCM目的としてはネガティブすぎて本末転倒なんじゃないかなぁと思ってたんです。

でも例えばもし自分でランニングやスポーツをすることが好きで、運動している中でそういったスポーツ関係のCMや新商品紹介が流れると、こんなものが新しくできたんだとかこんなサービスができたんだとかっていう、どちらかというと広告もポジティブなイメージで受け取れるんじゃないかっていうのも思いました。

スポーツをしてその空間を楽しむっていうことは、飽きずに自分のモチベーションを続けるという別のベクトルになって、そこにスポーツ関連の広告が入ることで、逆にポジティブなモチベーションに変えれられるんじゃないかなっていうのが、いろんな経路が収束して一つの形になりつつあるかなぁと考えています。

川上さん:今、私たち仲人もオンラインデートに取り組んでいってるんです。でもzoomってやったら味気ないんですよ。同じ場所で喋ってるだけなんで。だから、もしzoomにさっき中村さんが言ってたような景色の中を歩いたり走ったりしながらデートできたら、また違った関係性は築いていけるんちゃうかなぁと新たな可能性をすごく感じました。

中村さん:昔も散々話してましたが(笑)zoomとかだと結局、画面の向こう側っていうのは、向こう側でしかないんですよ。でもVRのなにがすごいかっていうとその場にいるのは自分のバーチャルのアバターで、他の人も本人ではなくバーチャルのアバターですけど、そのアバターを本人だと理解する人間の脳の力があるので、そこは同じ空間の中にいて距離感はゼロになるんですよね。

ただ、いかんせん今はコンテンツが「ゲーム」なんですよ。ゲームってたしかに新しい体験、エキサイティングな内容ができるんですけど、実際本当に有効なのは「コミュニケーション」で、家にいるのに家から出られる、そして遠くにいる人達と全く距離を意識することなく集えるということなんですね。

今特に大学の授業がリモートになって、大学に行けない事態がずっと続いているということが問題になってますけども、実際zoomを使った形でやるとコミュニケーションが阻害されてしまうということで、リスクしかない、ネガティブしかないような状況ですよね。

けどVRというインフラが今後展開していく中で、そもそも大学っていう場所に行く必要があるのかという時代も非常に現実味を帯びて感じているところです。

その中で婚活っていうのは婚活でやるから問題が出ているのであって、そもそも生活の一部なんですよね。暮らしの中、日々の行いの中でいろんな人と知り合った中で、「この人と一緒に暮らしていきたい」っていうのが本来の結婚なのではないか。

そうすると、今後もVRなどインフラが普及してバーチャルの中で生活が出来てこそ、その先に、今までの阻害やリスクとなっていた部分をクリアして本来の意味での目的に到達できるのでは、というところに期待しています。

ようやく10月に出るOculus Quest 2(オキュラスクエスト2)がそういう意味ではコンシューマーにとってバリアフリーの端末になって、新しい開発がどれだけ広がっていくのかなっていうところに期待もしますし、自分自身でもそれを作っていかなあかんっていう意識でおります。

VRの場合本当に開発が大変なので、なかなか難しいんですけどね〜というようなことを今考えています。

Oculus Quest 2

婚活×ITの可能性

川上さん:ITは将来絶対必要なものというか、不可欠になってくると思うねんけど、婚活やコミュニケーションもそうなんですけど、婚活のハードルで一番面倒くさい、「行動する・動く」部分をオンラインやITに変えることで、みんながもっと動きやすくなると思います。なので、どんどん使っていかないといけないし、使っていけるような状況にしないといけないなぁと思います。

ITは、今はコミュニケーションのツールとして使っているけど、今後オンラインデートができるようになったり、今までやったことのないことができるんちゃうかなと。

例えば、高級レストランには行かれへんかもしれんけど、高級レストラン風なところでオンラインデートはできるとか(笑)

オンラインにすることで相手がもっと近くになるのではないであろうかってだいぶ前に中村さんと話した見解ですね。実際に、人が近くなるのがITなんかなって思っております。

実際リモートで婚活は可能か?

中村さん:数年前、川上さんと私で取り組んでいた「VRx婚活」の想定としては、ビデオチャットやオンラインミーティングに近いイメージで、1対1での「VRコミュニケーション」をイメージしていました。

そしてそこに至るまでの、お相手探しからお互いを知り合っていくまでの課程をサポートするITサービスとして、当時「こいこん」というWebサービスの企画を検討していました。これ自体は、そもそものVRコミュニケーションに目途が立たなかったのと、当時続々と立ち上がり始めた大手婚活サービスとの差別化や、保守管理等の難しさ等々の問題を残したまま、結果的に収束してしまいまして残念な形になりました。

しかし、当時コンセプトとして考えていた、アフター5、というか最近はすっかりアフター6どころか8、9、10と遅くなってますけども、仕事終わりにネット経由で気軽にリスクフリーで知り合え、バーチャルで深めていく、というフローは、今も有効で有益だと考えています。

それは、まだこれから2、3年、もしかすると以降ずっと続くかもと言われている、このコロナ禍のソーシャルディスタンスを踏まえてという事も勿論ですが、コロナ以前から、近年のグローバル化やライフスタイルの急激な変遷によって、最近は社会構造が大きく変容して行っています。

私はプログラマーとして、多くの色々な企業内で仕事をする機会がありました。ほんの10年前までは、多くの会社は、同じような社内環境に、同じようなワークフロー、同じような勤務形態でした。

しかしここ最近は、過当競争も激しくなってますしコンピューターもどんどん進んで、同じような業種、業態であっても、社内環境や勤務形態は実に多種多様になってるように感じます。そうした働く環境の変化の中、個人の思想や行動も随分と変わったように思えます。今時は上司が部下を誘って飲みに行くと言うことは本当に無くなりました。

それどころか仕事とプライベートの割り切りが進んでいて、同僚がどういった人となりであるかということも見えにくくなってきているんじゃないでしょうか。昔は「大人なんだから」と憚られていた、趣味に生きるという事も、今や個性の範疇で当たり前の事になっていて、行動範囲や関係性が多様性を増して、一つ一つのつながりが小さく緩くなったように感じます。そうした中で、出会って、より深く知り合うという機会は少なくなっているように思います。

そうしたコミュニケーションロスによって、よりナイーブになっていき、より関わりを避けるようになる。生活を支えるサービスや商品が充実している一方の現代では、そうした結果で「一人で生きていく」という選択も増えているように思います。

川上さん:確かに。

中村さん:若い頃の恋愛へのモチベーションである性への関心も、商業化が留まるところを知らない昨今では、余計に恋愛に対しての煩わしさすら感じさせているのではないでしょうか。

最近増えているように感じる精神疾患にしても、そうした社会状況や生活の変遷を反映した結果じゃないかと思います。

総じて、漠然とした未来予測に対する不安感や、他者の思想信条等、そもそも分かろうとしても分かり得ない、考えても仕方の無い事に、コミュニケーションロスだからこそ囚われやすくなっているんでは無いかと思います。

そうしたネガティブに寄り添ったり、助けになったりするものは、Webサービスや、新しいガジェット、今言ったようなOculus Quest 2による、今までに無い形態でこそ作り得るんじゃ無いかと考えて、色々と実験や検討を進めています。

正直、若い人の新しい考え方はジェネレーションギャップで私の理解では及ばないところもあります。でも逆に新しいガジェットやサービスならば、みんな知らないわけですからそういうところで新しい価値観や新しいコミュニケーションを作っていけるならば、落とし所は一緒に見つけていけるのではというベクトルでやっています。

川上さん:未来はすごいね!

中村さん:でもほんとに、20年前に私が夢見ていた未来に、今すでになっちゃってるので、もっと深掘りしてみてもいいんじゃないかというふうに考えたりしてます。

川上さん:今はVRでzoomって出来ないんですか?

中村さん:zoomはOculus Quest 2が出て、ある程度普及すれば対応するんじゃないかなぁと思いますよ。

VR内でのこうしたビデオチャットはサービスやアプリが出始めています。今度のOculus Quest 2でそういうバーチャルのコミュニケーションをする場所を提供しているそうなので、またコミュニケーションはどんどん変わっていくとは思いますが、出てくるまでは絵に書いたもちですね。順次出てきたものが取捨選択されて淘汰されていくんだろうなっていう感じですね。

川上さん:ここ5年くらいできっと婚活もめっちゃ変わると思います。5年と言わず来年には変わってくるかも。あとはどれだけ受け入れられるかっていうところですね。

中村さん:先ほども言いましたけども、3年前4年前はそもそもVRをしたくてもAIやビットコインでそういうのが全部取られちゃって機材が確保できないっていう状況が長く続きました。もうなってみてからどうなるかによってで、色々その先が変わってくるんでしょうけどね。

川上さん:以前中村さんと話をしていた時より、このコロナ禍でオンラインに対する抵抗感はだいぶ下がった気がします。

中村さん:下がったどころかもうむりくりさせられざるを得ないというか、させられてしまったというかそういう状況になりましたからね。

川上さん:ただ、内気でオンラインで顔出すの嫌だっていう人の抵抗感も今回でだいぶ下がったと思います。

中村さん:ずっともうこの先マスクは必要、ソーシャルディスタンスは必要になってしまうかもしれないので、そうなってしまうとしたら逆にいうと、こうしたコミュニケーションの形を取らざるを得ないことが前提になると。

そうなれば当然この状況で商売できるかって言われると疑問符だらけの人が圧倒的多数でしょうから、それを解決していくガジェットが、来年再来年になれば今以上に出るのではないかと。そうなってくると社会のありようっていうのは本当に覚悟を決めた側からどんどん変わっていかざるを得ないでしょうし。

川上さん:そうですよね〜、新しい未来ですね。

中村さん:そんな中で、先ほど言ったようなVRのサービス展開が今後あり得るんじゃないかと。いっそその中に生活をシフトするという。

VRがリアルになれば、例えば家具や棚の上に飾っているいろいろなものとかも必要なくなるわけですよ。

つまりヘッドセットをつけちゃえば好きなオブジェを置けますし、オブジェどころか好きな環境、海岸際で食事してもいいわけですよ。宇宙空間で打ち合わせしてもいいわけです。

っていうようなことになると、自分に住む家はほぼがらんどうで、それこそ椅子、テーブル、ベッド程度の、生活を制御するものさえあれば家具は事足ります。

そのほかのものはヘッドセットの向こう側、VRの向こう側にあるというような世の中になるだろうという想像ができます。そうしてくるとあらゆる産業がかわっちゃいますね。

今も車が売れなくなっていることが問題になってますけど、VRが普及すれば当然移動手段は必要なくなりますし、いかにバーチャルの中でのリアリティーを上げていくかというところになって、そこの造形がリアリティーが上がれば上がる程その実用的なものから芸術的なものへどんどんシフトしていくと。

そうした創作活動自体のスタイルも大きくかわって、今の主要産業が創作で乗り換えられてしまうという世の中になり得る可能性もあります。実際にそれはどれくらいの人が受け入れられるんだろうっていうのはありますけど(笑)

川上さん:どっち行くんやろうっていうのはまだありますよね。

中村さん:最後に、オンライン会議や婚活などで顔を出したくない人にとってはこれを使って話をしてもらったらどうでしょうか。

面白くみていただければと(笑)

川上さん:(爆笑)かわいい・・・!!新しい時代ですね(笑)

中村さん:こんな感じで色んな新しいことがこれからもどんどん出てきますし、そうした中でどういう形を選択するかは、その場を取り仕切っている人によると思います。

川上さんが婚活を新しいネットを主体にした形に変えていくとしたらそこで何を選択するかによって今後知り合っていく人たちの利便がそれによって左右されると思います。この辺は尺図れませんから!

でもまぁ非常に面白い時代になってるなっていうのはあります。

川上さん:そうですね。また面白い情報があったらぜひ教えてください!

中村さん:はい!お互い、いい未来を作っていきましょう!

川上さん:かっこいい(笑)まとまりましたね!

中村さん・川上さん:ありがとうございました〜〜!!

また、お会いしましょう!

本記事のまとめ
  • 仲人とシステムエンジニア、婚活とITの接点
  • コミュニケーション手段としてのVRの可能性
  • ITが発達すると人同士の関わりが気薄になる?
  • 新しいVRオンラインデートの始まり
  • 婚活×ITの可能性
  • 実際リモートで婚活は可能か?
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